残溝0.8mmと製造年週。バイクのタイヤ点検を10分で一周する手順
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この記事のバイク
Suzuki GSX-8R
この記事のポイント
バイクのタイヤ点検はエアゲージ1本と約10分で完了する。冷間で空気圧を測り、サイドの▲を起点にスリップサイン、4桁の製造年週を読む。判断基準は残溝0.8mm(道路運送車両の保安基準の使用限度)と製造後10年で、溝は減ったら・年数は乗らなくても進む。
タイヤの状態を確かめるのに要るのは、10分と、用品店で買えるエアゲージ1本です。ジャッキも工具箱も出しません。
そう言い切れるようになったのは、わたし自身が長いことサボっていたからです。「黒くて丸いゴム」くらいの認識で、減ったら換えるものだと思っていました。実際、Honda Cross Cub 110(カブちゃん)で朝のパン屋に行ったとき、やけにハンドルが重い日があって、帰ってから測ったら空気圧がごっそり落ちていたことがあります。走っている最中は「今日は疲れてるのかな」で片づけていました。
ダンロップの試乗会に参加した初心者が「タイヤを変えただけでこんなに変わるのか」と驚いた、という記事を読んで、その日のことを思い出しました。変える前に、まず今履いているタイヤが今どういう状態なのかを知るところからだと思います。
作業前チェック
項目 | 内容 |
|---|---|
難易度 | ★☆☆(初心者OK。分解も脱着もありません) |
所要時間 | 1台10〜15分(前後輪あわせて。3台まとめても30分程度) |
費用目安 | 点検そのものは0円。道具は用品店の価格帯でエアゲージ2,000〜4,000円台、タイヤデプスゲージ1,000円前後、フットポンプ3,000円前後 |
必要工具 | 米式バルブ対応のエアゲージ(ダイヤル式かデジタル式。二輪の指定圧まで余裕をもって測れるもの)/タイヤデプスゲージまたはノギス(0.1mm単位で読めるもの)/米式対応の空気入れ(フットポンプで十分)/ハンドライト/ウエス |
対応バイク | 原付から大型まで全車種。タイヤの構造を問わず同じ手順で見られます |
ショップ依頼推奨度 | 点検はDIYで十分。残溝が限界に近い/製造から10年を超えている/サイドウォールにひび割れがある場合は、交換の判断をショップに委ねてください |
ミツキ視点 | 3台あると必ず1台サボります。うちはいつもカブちゃんが後回しで、いちばん空気が抜けているのもカブちゃんです |
準備するものと作業場所の条件はこれだけです。
- 平らな場所。センタースタンドかメンテナンススタンドがあれば楽ですが、なくても点検はできます
- タイヤが冷えている状態。走行後なら最低1時間は置きます
- 手元を照らせる明かり。日陰や夕方のガレージでは、ハンドライトがないと溝の底が見えません
作業手順
- 冷間の状態をつくる: エンジンをかけず、走行後なら1時間以上置いてから始めます。朝いちばんが確実です。
ポイント: 空気は温度で膨らむので、走った直後は実際より高い数値が出ます。「規定どおりだった」の半分はこれが原因です。 - 空気圧を測って合わせる: バルブキャップを外し、エアゲージをまっすぐ押し当てて読みます。指定値は取扱説明書か、車体に貼られたラベルに書いてあります。
ポイント: 斜めに当てると「プシュッ」と抜けて数値が下がります。抜けたと思ったら入れ直して測り直してください。 - スリップサインを見る: タイヤの側面にある▲マークを探し、その延長線上のトレッド面を見ます。溝の中に、底から0.8mm盛り上がった部分があります。
ポイント: スリップサインはトレッド全周の4か所または6か所に入っています。1か所だけ見て安心せず、タイヤを転がしながら全部確認します。 - 製造年週を読む: サイドウォールのホイールに近いところに、4桁の数字があります。前の2桁が「週」、後ろの2桁が「年」です。
ポイント: 「4120」なら2020年の41週目。溝と違って、年数は乗らなくても進みます。 - 一周ぐるりと見る: 片減りしていないか、サイドウォールにひび割れがないか、トレッドに釘やガラスが刺さっていないかを、ライトを当てながら一周確認します。
ポイント: 中央だけ帯のように平らに減っていたら直線・高速主体の走り方、肩が先に減っていればコーナリング主体の走り方が出ています。左右で減り方が違うときは、いつも同じ向きにばかり曲がっているサインです。

ここまでで10分。ジャッキも工具箱も出していません。
判断の基準は「0.8mm」と「年数」
数字を2つだけ覚えておくと、迷わなくなります。
ひとつが残溝0.8mm。道路運送車両の保安基準第9条で、タイヤの使用限度は残り溝0.8mmと定められています。スリップサインがトレッド面と同じ高さになった時点が、その限界です。スリップサインが出たタイヤで走っていると、整備不良車両として交通違反になります。安全側で考えるなら、サインが顔を出す前に交換するのが正解です。
もうひとつが年数です。タイヤメーカーは、使用開始から5年を超えたタイヤは販売店や専門店で点検を受けること、製造後10年を超えたタイヤは溝が残っていても交換することを推奨しています。走行距離が短い車両ほどここに引っかかります。
もうひとつ、構造の話も添えておきます。同じ「空気が減っている」でも、パンクしたときの落ち方はタイヤの構造で変わります。チューブレスタイヤは比較的ゆっくり抜けますが、チューブを使うタイヤはチューブが破れると一気に来ることがあります。
わたしの3台のうち、チューブを使うタイヤを履いているのはHonda Cross Cub 110(カブちゃん)です。年間の走行距離がいちばん短くて、溝が減らないぶん点検を後回しにしがちな車両が、いちばん急に空気を失う構造でもある。けっこう笑えない組み合わせです。
ちなみにSuzuki GSX-8R(ハチ)とHarley-Davidson Low Rider ST(ロウさん)はチューブを使わないタイプなので、釘を踏んでも家までは持つことが多いです。持つからこそ、朝の点検で気づけるかどうかが効いてきます。

溝は「減ったら」、年数は「乗らなくても」進みます。見るべきものが2つあるのはそのためです。
よくある失敗と回避策
- 走ってすぐ測って安心する: ツーリングから帰った勢いで測ると、温まったぶん高めに出て「ちゃんと入っている」と結論してしまう → 回避策: 測るのは翌朝。前日の夜に「明日測る」とだけ決めておけば十分です
- 溝の浅いところだけ見て判断する: 適当な位置の溝を覗いて「まだあるな」で終わらせると、スリップサインの位置を見逃します → 回避策: 必ずサイドの▲マークを起点にして、その延長線上を見る。位置さえ分かれば5秒で判断できます
- 溝が残っているから大丈夫だと思い込む: 年に数回しか乗らない車両ほど溝は減りません。わたしもカブちゃんで年数の意識が抜けていました → 回避策: 4桁の製造年週を読む習慣をつける。溝と年数はまったく別のメーターです
仕上げ・確認
測り終わったら、バルブキャップを必ず締めます。ゴミと水の侵入を防ぐ部品なので、外したまま走らせないでください。
空気圧を大きく変えた直後は、接地感が変わります。走り出しの1kmくらいは、いつもより慎重に曲がってください。指定値に戻しただけでも「グリップが戻った」と感じることがあり、それはそれで、どれだけ抜けていたかの答え合わせになります。
次回のメモとしては、空気圧は月に1回とツーリングの前日、残溝と製造年週は季節の変わり目に1回で足ります。カレンダーに入れておくと、3台あっても取りこぼしません。
まとめ
10分の点検で分かるのは、次の週末にどこまで足を延ばしていいか、です。溝と年数と空気圧が揃っていれば、峠に行くか高速に乗るかを気持ちよく選べます。次のツーリングの計画は、その答え合わせが終わってから立てるのがいちばん楽しいです。
📝 参照元
よくある質問
バイクのタイヤの溝は何mmまで使えますか?
道路運送車両の保安基準で使用限度は残り溝0.8mmと定められています。スリップサインがトレッド面と同じ高さになった時点が限界で、その状態で走ると整備不良車両として交通違反になります。
タイヤの製造年週はどこで確認できますか?
サイドウォールのホイールに近い位置にある4桁の数字です。前の2桁が製造週、後ろの2桁が製造年を表し、たとえば「4120」なら2020年の41週目の製造を意味します。
空気圧はいつ測るのが正しいですか?
タイヤが冷えている冷間時です。走行後は空気が膨張して実際より高い数値が出るため、最低でも1時間は置いてから測ってください。頻度は月1回とツーリング前日が目安です。
GARAGE 3 のバーチャルナビゲーター
ロウさん・ハチ・カブちゃん、3台と暮らす運営者の体験を、わたしの目線でお届けしてるよ!
執筆・編集: GARAGE 3 編集部
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