250ccに可変バルブが載った。スズキGSX250R-Fは29PS・178kg
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この記事のポイント
スズキの中国合弁・豪爵スズキが新型「GSX250R-F」を発表しました。248cc並列2気筒を4バルブ化したうえで可変バルブリフト機構VVLを追加し、21.5kW(29PS)/9,500rpm・23.6N・m/5,500rpmへ。現地価格は1万8,980元(約45万円)で、日本での発売は未発表です。
29PS、装備重量178kg。スズキが中国で発表した新型「GSX250R-F」は、数字だけ並べればそこまで身を乗り出すバイクではないかもしれません。手が止まったのは、その下にあった一行でした。VVL=可変バルブリフト機構。250ccの並列2気筒に、それが載っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何が起きた | スズキの中国合弁「豪爵スズキ」が新型「GSX250R-F」を発表。248cc並列2気筒を4バルブ化し、可変バルブリフト機構VVLを追加した |
| 発売時期・実施時期 | 中国では発表済み。日本での発売時期は未発表 |
| 対象モデル・エリア | 中国仕様。日本仕様に関する発表はなし |
| 価格帯 | 1万8,980元(約45万円)※中国での現地価格 |
| 一次ソース | 中国での発表のため日本のスズキ公式には未掲載。国内現行モデルはスズキ公式:GSX250R |
| ミツキ視点 | +5PSより、最大トルクの発生回転数が6,500→5,500rpmに下りてきたことのほうが街で効きそう |
4バルブ化とVVL。250の心臓に起きたこと
GSX250R-Fのエンジンは水冷4ストローク並列2気筒の248cc。ボア×ストロークは53.5×55.2mm、圧縮比11.5。ここまでは日本で売られている現行GSX250Rとまったく同じ数字です。変わったのはヘッドの中身で、1気筒あたり2バルブだったものが4バルブになり、そこに油圧駆動のVVL(可変バルブリフト機構)が組み合わされました。
可変バルブリフトは、ざっくり言えば「バルブをどれだけ持ち上げるか」を回転数に応じて切り替える仕組みです。低い回転では控えめに開けて燃焼を整え、回転が上がったら大きく開けて空気をたくさん吸わせる。ひとつのエンジンに性格の違うカムを2本持たせている、と思うとイメージしやすいと思います。
結果として最高出力は21.5kW(29PS)/9,500rpm、最大トルクは23.6N・m/5,500rpm。レブリミットは11,000rpm。装備も一気に現代化していて、ボッシュ製2チャンネルABS、F.C.C.製アシスト&スリッパークラッチ、LEDプロジェクターヘッドライト、TFTカラーメーターとスマートフォン連携、18WのUSB Type-C電源、そしてウイングレットまで付いてきます。

え、マジで? 250のツインに可変バルブって、少し前なら「そこまでやる?」って言われてた装備だよ。
現行の日本仕様と並べると、上がったのは馬力だけじゃない
いま日本で買えるGSX250Rと、中国で出た新型を横に並べてみます。土台が同じぶん、どこに手が入ったかがはっきり出ます。
| 項目 | 新型GSX250R-F(中国仕様) | 現行GSX250R(日本仕様) |
|---|---|---|
| エンジン | 水冷4スト並列2気筒 4バルブ+VVL | 水冷4スト SOHC 並列2気筒 2バルブ |
| 総排気量 | 248cc | 248cc |
| ボア×ストローク/圧縮比 | 53.5×55.2mm/11.5 | 53.5×55.2mm/11.5 |
| 最高出力 | 21.5kW(29PS)/9,500rpm | 18kW(24PS)/8,000rpm |
| 最大トルク | 23.6N・m/5,500rpm | 22N・m(2.2kgf・m)/6,500rpm |
| 重量 | 装備重量178kg | 車両重量181kg |
| シート高 | 790mm | 790mm |
| 燃料タンク容量 | 14.5L | 15L |
| 価格 | 1万8,980元(約45万円) | 63万5,800円〜64万7,900円(税込) |
重量だけは注意が必要で、新型の「装備重量」と日本仕様の「車両重量」が同じ測り方だという保証はありません。3kgという差は、あくまで目安として見ておくのが安全だと思います。
そのうえで、わたしが一番おもしろいと思ったのは最高出力の+5PSではなく、その下の行でした。最大トルクの発生回転数が6,500rpmから5,500rpmへ、1,000rpm下りてきています。数値そのものも22N・mから23.6N・mへ増えていますが、それ以上に「太いところが手前に来た」ことのほうが、街での扱いやすさに効くはずです。信号から発進して、法定速度まで持っていって、そのまま流す。250ccで一番よく使う回転域が、まさにこのあたりだからです。
ちなみに、ヒマリちゃんの愛車Kawasaki Meguro S1(メグちゃん)は232ccの空冷単気筒で18PS/7,000rpm。同じ軽二輪クラスといっても、中身はぜんぜん別のものです。

29馬力って、わたしのメグちゃんの18馬力から見るとずいぶん上ですね…! 同じ250ccクラスでも、こんなに幅があるんだ。
そうなんです。同じクラスでも、単気筒でのんびり鼓動を味わう方向と、2気筒で回して伸ばす方向があって、どっちが上という話ではありません。今回の新型は後者をさらに一段、街寄りにチューニングしてきた感じがします。
実はいまの日本仕様も、中国生まれ
「中国で出たモデル」と聞くと、日本とは別の世界の話に思えるかもしれません。ところがスズキ公式サイトでGSX250Rの製品概要を開くと、そこにこう書いてあります。製造事業者は常州豪爵鈴木摩托車有限公司、製造国は中国、輸入事業者はスズキ株式会社。
つまり、いま日本のディーラーに並んでいるGSX250R(63万5,800円〜64万7,900円・税込)も、今回の新型を発表したのと同じ豪爵スズキが作って、スズキが輸入している1台なんです。ここが分かると、今回のニュースの受け取り方が少し変わります。国内モデルを作っているのと同じ場所で、次の世代が動き始めたという話になるからです。

「海外の話でしょ」でスルーしかけたけど、公式の製品概要を読んで手が止まった。うちの国内モデルと同じ工場じゃん、って。
もちろん、同じ工場で作っているからといって、日本にそのまま入るとは限りません。国内で売るには排ガス・騒音の規制適合と型式認定が要りますし、価格も現地の45万円がそのまま乗ってくるわけがない。現行モデルが63万円台からということを考えると、仮に入ってきても同じくらいか、装備ぶん上がると見るのが現実的だと思います。2026年8月時点で、日本導入について公式なアナウンスは出ていません。
ハチと並べると、178kgの意味が見えてくる
わたしの相棒のひとり、Suzuki GSX-8R(うちでは「ハチ」)は775ccの並列2気筒で、国内仕様が80PS、車両重量205kg。GSX250R-Fの装備重量178kgとの差は27kgです。排気量が3倍以上違うのに、重さの差は3割もありません。
これはハチが重いという話ではなくて、フルカウルのスポーツバイクは250でもそれなりに重くなる、ということです。カウル、フレーム、17インチの前後ホイール、前後ディスクブレーキ。ひととおり載せると、車体は簡単には軽くならない。だから250のフルカウルを選ぶ理由は「軽いから」ではなく、「その重さでちょうど落ち着いて走れるから」なんだと、ハチに乗るようになってから思うようになりました。

250のフルカウルって「入門」って言われがちだけど、乗ると全然そんな軽い話じゃないんだよね。ちゃんとバイク。
買うか、様子を見るか
わたしの立場をはっきり書いておくと、いまハチがいる以上この250を買う理由はありません。それでも日本導入があるなら、試乗には行きます。VVLが実際にどのあたりで切り替わって、切り替わりを体で感じるのかどうか。それは数字だけではどうやっても分からないからです。
そのうえで、こういう人には効くと思います。ひとつは「はじめての1台をフルカウルにしたいけど、街乗りが8割」という人。トルクの太いところが5,500rpmに来ているのは、まさにその使い方のためのチューニングです。もうひとつは「TFTメーターとスマホ連携が付いていないと今どき気持ちが乗らない」という人。逆に、峠でとにかく回して遊びたい人には、同じクラスの4気筒や高回転型の方が向いています。
250のフルカウルは長く「入門クラス」と呼ばれてきたけれど、その入門クラスにいま、可変バルブが降りてきている。次に免許を取る人がまたぐ最初の1台は、わたしたちが乗り始めた頃より、たぶんずいぶん賢くなっています。それってちょっと、うらやましい話です。
もっと知りたい人へ
- スズキ公式:GSX250R 製品概要 — 国内現行モデルの価格・カラー・製造国の記載
- スズキ公式:二輪車ラインアップ — いま日本で買えるスズキの現行モデル一覧
- 豪爵(HAOJUE)公式サイト — 今回の新型を発表した中国側メーカー
よくある質問
GSX250R-Fは日本で買えますか?
2026年8月時点で、日本での発売は発表されていません。中国での発表のみです。
可変バルブリフト機構(VVL)が付くと何が変わりますか?
回転数に応じてバルブの持ち上げ量を切り替えます。GSX250R-Fでは最大トルクの発生回転数が現行の6,500rpmから5,500rpmに下がっており、街乗りの常用域が扱いやすくなると見込まれます。
日本で売られているGSX250Rはどこで作られていますか?
スズキ公式サイトの製品概要によると、製造事業者は常州豪爵鈴木摩托車有限公司、製造国は中国で、スズキ株式会社が輸入しています。
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執筆・編集: GARAGE 3 編集部
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