4気筒1200ccの解禁は2030年から。SBKが2027年からの新ルールを発表
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この記事のポイント
WorldSBK(スーパーバイク世界選手権)の2027〜2030年ロードマップが発表。話題の4気筒1200cc化は2030年からで、2027年は回転数制限と燃料流量規制の合わせ技・単一燃料サプライヤー・騒音112dB。ホモロゲ専用車が要らなくなる点がミツキの注目ポイントです。
1000ccから1200ccへ。スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)で4気筒に許される排気量の上限が、200cc分だけ広がります。
FIMのスーパーバイク委員会が2026年7月31日に発表したのは、2027年から2030年までをまとめた4年分のロードマップです。ここで一つ気をつけたいのが、話題になっている「4気筒1200cc」が動き出すのは2027年ではなく2030年からだということ。年ごとに並べ直すと、変わるタイミングはきれいに3段に分かれていました。
項目 | 内容 |
|---|---|
何が起きた | FIMスーパーバイク委員会が、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)の2027〜2030年の規則ロードマップを発表 |
実施時期 | 2027年=メーカー別の回転数制限+燃料流量規制・単一燃料サプライヤー・騒音112dB/2028年=新ランクコンセッション制度/2030年=4気筒の排気量上限1200cc |
対象 | スーパーバイク世界選手権の参戦車両に適用される競技規則。公道向け市販車を直接規制するものではない |
価格帯 | —(規則改定のため価格の設定なし) |
一次ソース | |
ミツキ視点 | 1200ccという数字より、「レースに出るためだけに排気量を落とした特別な市販車」が要らなくなることのほうが大きい |

え、1200cc? って一瞬びっくりしたけど、それ2030年の話だった。あぶない、あぶない。
2027年に来るのは、回転数と燃料を同時に絞るやり方
まず、いちばん手前の2027年から見ていきます。
導入されるのは、メーカーごとに設定される回転数の上限です。しかもこれ単体で使うのではなく、燃料の流量を制限するフューエルフロー規制と組み合わせて運用されます。エンジンの回る上限と、そこへ送り込める燃料の量。出力を決める2つの蛇口を同時に握る、というやり方です。
回転数の上限は500rpm刻みで上下に調整され、見直しのタイミングは2ラウンドごとと決められています。刻みと周期がここまで細かく設定されているのは、シーズン中に何度も微調整する前提で作られた仕組みだからでしょう。
燃料そのものも変わります。2027年からは指定された単一のサプライヤーが供給する燃料に一本化され、FIMのフューエルカテゴリー1の要件を満たすものが使われます。あわせて騒音の上限が3dB引き下げられ、112dBになります。
2028年はランク制度そのものの作り直し
2028年に予定されているのが、新しいランクコンセッション制度の導入です。発表では、ランクの定義そのものを再構成したうえで導入する、とされています。
勝ちすぎているところを絞り、届いていないところに手を貸す。その物差し自体を引き直す年、という位置づけになりそうです。
2030年、4気筒の上限が1200ccになる
そして2030年。4気筒エンジンの排気量上限が、1000ccから1200ccへ引き上げられます。
見出しでいちばん目立つのはここですが、実施は4年先です。2027年の回転数・燃料の話と混ぜて「来年から1200cc」と読んでしまうと、話がまるごとズレます。わたしも最初にタイトルだけ見たときは完全にそう読み違えました。
ホモロゲのためだけの1台が、要らなくなる
ここからが、わたしがこのニュースでいちばん面白いと思っている部分です。
WorldSBKは市販車をベースに戦うカテゴリーなので、参戦するにはまず「規則に収まる市販車を売っていること」が要ります。これがホモロゲーション(車両公認)で、略してホモロゲと呼ばれます。
今の規則では、4気筒は1000ccまで。ところが市販のスーパースポーツは、とっくにそこを追い越しています。ドゥカティのパニガーレV4は1103cc、アプリリアのRSV4は1099cc。どちらも「1000cc」ではありません。
それでもレースに出るには1000ccに収める必要があるので、ドゥカティは排気量を落としたパニガーレV4 Rという別の1台を、参戦資格を得るためにずっと作り続けてきました。一方のアプリリアは、その1000cc専用モデルを作らないという判断をしています。同じクラスに出るのに、片方は特別な1台を用意し、片方は用意しない。規則と市販車の実態がズレていると、こういうことが起きます。
上限が1200ccまで広がれば、この歪みは消えます。市販されているV4をほぼそのまま持ち込めるようになるので、参戦の敷居はメーカーにとって確実に下がります。今いるメーカーだけでなく、これから入ってくるメーカーにとっても同じです。

レースのためだけに作られた市販車って、ロマンではあるんだよね。でも作らされてる感もずっとあった。
買う側から見ると、どこに効いてくるのか
「で、わたしたちには関係あるの?」という話をしておきます。
- いまスーパースポーツを買おうとしている人 — 直接の影響はありません。今回決まったのは競技規則で、公道向けの市販車を縛るものではないからです
- ホモロゲモデルを狙っている人 — 2030年以降、「レースに出るために排気量を落とした限定モデル」という成り立ちの1台は減っていく可能性があります。希少性の意味合いが変わるかもしれません
- レースを見るのが好きな人 — 2027年の回転数と燃料流量の合わせ技が効き始めた時点で、上位の顔ぶれの変化として見えてくるはずです
わたし自身の立場を書いておくと、1200cc化は歓迎しています。市販車がとっくに超えている数字に規則のほうを合わせるのは、素直で健全だと思うからです。レースに出るためだけに存在する1台が減るのは少し寂しい気もしますが、それは買う側のロマンであって、作る側にとっては相当な負担だったはずなので。
ただ、排気量が大きいほど有利という単純な構図に戻りすぎないでほしい、とは思います。そこを回転数と燃料流量で抑えにいく設計になっているのが、今回のロードマップのうまいところなんだと受け取りました。
まとめ
覚えて帰るなら2つで足ります。2027年は回転数と燃料の合わせ技、4気筒1200ccは2030年から。この2つさえ押さえておけば、これから流れてくる続報を読み違えずに済みます。
2030年って、まだ4シーズンも先です。その頃に何に乗っているかも分からないけれど、そのときのスーパースポーツがどんな顔をしているかは、今から少し楽しみにしていようと思います。
もっと知りたい人へ
- WorldSBK公式:2027-2030年レギュレーションのロードマップ発表 — 年ごとの変更点の一次発表
- FIM公式:Decisions of the Superbike Commission — スーパーバイク委員会の決定事項そのもの
- FIM公式:2026年 WorldSBK / WorldSSP 競技規則書 — 現行ルールの条文を確認したい人向け
📝 参照元
よくある質問
4気筒が1200ccになるのはいつから?
2030年からです。2027年から入るのは回転数制限と燃料流量規制の併用・単一燃料サプライヤー・騒音112dBで、排気量の拡大はここには含まれません。
市販バイクの排気量の規制が変わるの?
いいえ。今回決まったのはスーパーバイク世界選手権の競技規則で、公道向け市販車を直接縛るものではありません。ただし参戦車は市販車がベースなので、将来のラインナップには影響しうる話です。
いまスーパースポーツを買う人に影響はある?
直近の購入への影響はありません。2030年以降は、レース参戦資格のために排気量を落として作られた限定モデルが減る可能性があります。
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