リチウムイオン電池の火災は都内382件。夏はモバイルバッテリーを置いて降りない
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この記事のバイク
Harley-Davidson Low Rider ST
バイクから降りるとき、モバイルバッテリーだけは一緒に持って降りる。今年の夏はこれを徹底しようと決めました。荷物がひとつ増えるのが面倒なのは分かっているうえで、それでもです。
きっかけは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)が今この時期のモバイルバッテリーの扱いに警鐘を鳴らしていると知ったこと。そして、そのあとに調べた東京消防庁の数字でした。2025年、管内でリチウムイオン電池が原因の火災は年間382件で過去最多。出火元としていちばん多かった製品が、モバイルバッテリーの130件です。
項目 | 内容 |
|---|---|
何が起きた | MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)が「モバイルバッテリーガイドライン」で、夏の高温環境でのモバイルバッテリー使用・保管に注意喚起 |
発売時期・実施時期 | 2026年夏の注意喚起として公開中 |
対象モデル・エリア | リチウムイオン電池を使うモバイルバッテリー全般(バイク・クルマ・キャンプでの携行を含む) |
価格帯 | —(製品の告知ではなく注意喚起) |
一次ソース | |
ミツキ視点 | 「シート下」「タンクバッグ」「炎天下の駐車」って、ツーリングでいつもやってる3点セットそのものだった |
MCPCが言っているのは「置いて離れるな」
MCPCが公開している「モバイルバッテリーガイドライン」は、難しい技術論ではありません。要点は、直射日光の当たる車内や窓辺にモバイルバッテリーを置きっぱなしにしないこと。そして休憩のときは涼しい場所へ移すか、いっそ持ち歩くこと。
ちなみにこれは今年だけの単発の呼びかけではなく、MCPCが夏ごとに内容を更新して出している定番の注意喚起です。去年の夏も同じ趣旨のページが公開されていました。毎年言われているということは、毎年やらかす人がいるということでもある。わたしも去年は完全に見落としていました。
理由もはっきりしています。炎天下に置かれた車内は50℃前後まで上がる。この温度域になるとリチウムイオン電池の内部の化学反応が活発になり、熱暴走から発火・発煙に至るリスクが上がるからです。
そしてMCPCは、バイクで特に気をつけたい場所も具体的に挙げています。シート下の収納、タンクバッグ、そして密閉されたグローブボックス。ここでの充電は避けるように、と。

えっ、わたしカメラの充電用にタンクバッグへ入れっぱなしです…! 撮りながら走るので、ずっと入れたままでした…!
それ、たぶんいちばん多いパターンだと思います。カメラもスマホも、走っている間に充電しておきたいから入れっぱなしになる。わたしも人のことは言えません。
数字で見ると、他人事じゃなくなる
冒頭で触れた東京消防庁の公表値を、もう少し細かく並べてみます。ここが今回いちばん調べておきたかった部分でした。
- 2025年のリチウムイオン電池関連火災:382件(年間で過去最多)
- 2026年は5月末時点で179件。前年同期の117件に対して約1.5倍のペース
- 2025年の出火要因製品の内訳:モバイルバッテリー130件が最多、次いでスマートフォン43件、電動アシスト自転車25件
- 負傷者は2025年が66人。2026年は5月末までで41人(前年同期は14人)

え、マジで? 負傷者が14人から41人って、増え方が急すぎる。
件数が増えているのは、単に製品が世の中に増えたからでもあります。それでも「バッテリーが一番多い」「夏に伸びる」という傾向は、わたしたちが持ち歩き方を変えれば減らせる種類のものです。
バイクは「密閉」と「炎天下」を同時にやってしまう
クルマの車内放置が危ないのは有名な話ですが、バイクはもっと直球です。荷物を入れる場所が、だいたい全部「小さい・密閉・直射日光」だから。わたしの3台で言うとこうなります。
- Harley-Davidson Low Rider ST(ロウさん):左右のハードサドルバッグ。容量はあるけれど、真夏のアスファルトの照り返しを両側から浴びる位置にあります。長い休憩のときは中の温度が想像以上です
- Honda Cross Cub 110(カブちゃん):リアキャリアに載せた黒いトップケース。黒は熱を持ちます。パン屋の前に30分置いておくだけで、蓋を開けたときの熱気が違う
- Suzuki GSX-8R(ハチ):そもそも収納がほぼありません。だからタンクバッグかリュックになる。タンクバッグはエンジンの真上です
つまり、どの車種に乗っていても「涼しくて日陰の収納」という選択肢がそもそも無い。だから答えはシンプルで、降りるときは一緒に持って降りる。これに尽きます。
判断に迷うときは、この線引きで十分だと思っています。
- 1時間以上バイクから離れる(ごはん・観光・温泉)→ 持って降りる。カフェのテーブルの上でも、ポケットでもいい
- 15分程度の給油・トイレ休憩→ そのままでもいいけれど、日陰に停めるほうを優先する
- 走行中の充電→ タンクバッグの中で充電しっぱなしにしない。走り終わってから、日陰で
買うとき・使うときに見る2つのマーク
もうひとつ、MCPCが指摘している「見えない品質の違い」の話。外側からは同じに見えるモバイルバッテリーでも、中身の安全設計には差があります。見分ける手がかりが2つあります。
- PSEマーク:2019年2月1日以降、PSEマークのないモバイルバッテリーは日本国内での販売が禁止されています。つまりこれは「あって当たり前」の最低ライン。本体の小さな印字なので、黒い筐体だと見つけにくいのが厄介です
- MCPCマーク:PSEの基準適合検査に加えて、メーカーが任意の試験まで実施して基準をクリアした製品に付く「モバイル充電安全認証」のマーク。義務ではないぶん、付いていれば上乗せの確認をしている証拠になります

買い替えるときの見どころはここ。あと、膨らんだバッテリーはその時点で寿命です。使い続けない。
ケースがパンパンに膨らんでいる、充電中に妙に熱い、落として凹んだことがある。このどれかに当てはまるなら、夏を待たずに交換したほうがいい。処分は自治体の回収ルールか、家電量販店の回収ボックスへ。燃えるゴミに混ぜると回収車の中で発火します。
まとめ
覚えて帰るのは2つだけでいいと思います。降りるときは一緒に持って降りる。そして膨らんだら使わない。この2つで、統計に載っている事故のかなりの部分は避けられるはずです。
サドルバッグを開けるたびに思い出せれば、それで足りる。夏はまだ長いので。
もっと知りたい人へ
- MCPC公式:モバイルバッテリーガイドライン — 夏の使用・保管で気をつける点の一次情報
- 東京消防庁:リチウムイオン電池搭載製品の出火危険 — 実際の出火事例と対策
- 東京消防庁:リチウムイオン電池関連火災の件数が過去最多 — 件数・製品別内訳の公表資料
📝 参照元
よくある質問
バイクのシート下やタンクバッグにモバイルバッテリーを入れておくのは危険ですか?
MCPCは高温になりやすい場所として、バイクのシート下・タンクバッグ・密閉されたグローブボックスでの充電や保管を避けるよう呼びかけています。炎天下の車内は50℃前後まで上がり、リチウムイオン電池の熱暴走リスクが高まります。
モバイルバッテリーが原因の火災はどれくらい起きていますか?
東京消防庁管内のリチウムイオン電池関連火災は2025年に382件と過去最多で、出火元として最も多かった製品がモバイルバッテリーの130件でした。2026年は5月末時点で179件と前年同期の約1.5倍のペースです。
安全なモバイルバッテリーはどう見分ければいいですか?
PSEマークは2019年2月以降の販売に必須の最低ラインです。加えてMCPCマークは、PSEの基準適合検査にメーカーの任意試験を上乗せしてクリアした製品に付く認証で、選ぶ際の手がかりになります。
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