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· 約6分で読めますツーリングSuzuki GSX-8R

出発は日没の1時間後。真夏の夜、涼しくなってから走るショートツーリング

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出発は日没の1時間後。真夏の夜、涼しくなってから走るショートツーリング
Suzuki GSX-8R

この記事のバイク

Suzuki GSX-8R

目次
  1. 日が沈んだ瞬間は、まだ涼しくない
  2. いちばん気持ちいい時間が、いちばん危ない
  3. 夜のショートは、知っている道だけで組む
  4. わたしの夜ショートの型
  5. 夜に走ると、翌朝に持ち越すもの
  6. まとめ

この記事のポイント

真夏の夜は、日が沈んですぐではなく日の入りの1時間後に出るのがわたしの型です。日の入り前後1時間は薄暮時間帯で死亡事故が多く(警察庁)、舗装が蓄えた熱で気温も下がりきっていません。片道30分の知っている道を選び、22時前に帰ってきます。

わたしは朝型です。夏は早起きしてHonda Cross Cub 110(カブちゃん)でパン屋まで走るのが定番で、朝活ショートライドの記事も書きました。ところが8月に入ってからは、朝5時に玄関を開けた時点でもう空気がぬるい。走り出しても風が涼しくならない。7月はあれだけ気持ちよかった朝が、急に効かなくなりました。

それで、逆をやっています。日が沈みきってから1時間だけ走って帰る、真夏の夜のショートツーリング。何回か繰り返してみて分かったのは、「涼しいから夜に走る」んじゃなくて「涼しくなる時間まで待ってから走る」なんだ、ということでした。その待ち方の話をします。

日が沈んだ瞬間は、まだ涼しくない

気象庁の予報用語では、熱帯夜は「夜間の最低気温が25度以上のこと」と定義されています。熱帯夜と呼ばれる夜は、そもそも25度を下回らないわけです。言葉にすると当たり前ですけど、夜がまるごと涼しいわけじゃない、というのが数字で見るとよく分かります。

そのうえ、道路のほうがなかなか冷めません。環境省のヒートアイランド対策の資料でも挙げられているとおり、日中にアスファルトが蓄えた熱は夜になってから放出されるので、気温が下がりきるのを邪魔します。これ、走ると本当に分かりやすい。日没直後に幹線を流すと、ヘルメットの中には涼しい風が入ってくるのに、足元だけ生ぬるいのが上がってくる。信号待ちで足を着くと、路面はまだ夏の顔をしています。

だから、暗くなったから即出発、ではもったいない。1時間ずらすだけで、同じ道の体感がはっきり変わります。涼しさを標高と水辺で取りに行くなら奥多摩・丹波山の渓谷ツーリングのような手がありますけど、夜のショートは同じ涼しさを時間で取りに行く遊びです。

ミツキ

去年の8月、ハチのチェーン清掃を昼にやろうとして10分で家に戻ったことがあって。あれと一緒で、夏は「何をやるか」より「何時にやるか」で勝負が決まる気がする。

いちばん気持ちいい時間が、いちばん危ない

ここは本当に大事なポイントで、「涼しくなってきたから出よう」と思う時間帯は、統計上、死亡事故が多い時間帯とほぼ重なります。

警察庁は、日の入り時刻の前後1時間を「薄暮時間帯」と呼んでいます。令和3年から令和7年までの5年間で、死亡事故は日の入り時刻と重なる17時台から19時台に多く発生している、と公表されています。呼びかけも具体的で、薄暗くなる前から前照灯を意識的に使う「前照灯の早め点灯」で、自分の存在を周囲に知らせようという内容です。

じゃあ実際に何時なのか。国立天文台の暦計算室によると、2026年8月14日の東京の日の入りは18時32分。8月1日は18時46分で、31日には18時10分まで早まります。つまり8月中旬の薄暮時間帯は、おおよそ17時半から19時半。「そろそろ涼しいかな」と玄関を出る時間が、まるごとその中に入ってしまうわけです。

わたしが出発を19時半以降にしているのは、涼しさのためだけじゃなくてこれが理由です。薄暮を1本まるごとやり過ごしてから走り出す。どうしてもその時間に走るなら、ライトを早めに点けて、反射材の入ったジャケットを着る。夏の薄着のまま夕方にふらっと出るのが、いちばん危ない組み合わせだと思っています。

ミツキ

日の入りの時刻って季節でどんどん動くよ。8月の感覚のまま9月に同じ時間に出ると、薄暮のど真ん中だったりする。

夜のショートは、知っている道だけで組む

夜に走る道は、昼に走る道とは別に選びます。わたしの場合、まず峠を外します。路面の砂、落ち葉、目地の段差、路肩に落ちているもの——昼ならヘッドライトの外側の視界で拾えるものが、夜はまったく見えません。動物が出そうな道も同じで、避けられる理由があるなら避けておく。これが夜の基本です。

選ぶのは、街灯のある幹線と、通い慣れた川沿い。片道30分、往復1時間で戻れる範囲です。この距離なら勾配もカーブの深さも体が覚えているので、暗さのぶんの情報不足を経験で埋められます。知らない道を走る楽しさは、明るいうちに取っておく。

車体はSuzuki GSX-8R(ハチ)を出すことが多いです。理由は単純で、街乗りでいちばん距離を稼いでいる1台だから。暗い中でも車体の幅とブレーキの当たり方の感覚がそのまま出せます。逆にHarley-Davidson Low Rider ST(ロウさん)は空冷のVツインなので、夏の街なかの信号待ちが正直つらくて、この時間の近所には出しません。カブちゃんは日常の足として優秀ですけど、幹線を流すなら車格があるほうが夜は気楽です。

わたしの夜ショートの型

  • 19時半すぎに出る: 薄暮を1本やり過ごしてから。8月中旬なら日の入りが18時半すぎなので、ちょうど1時間後になります
  • 片道30分で折り返す: 通い慣れた川沿いか、街灯のある海側の幹線。目的地は決めなくていい
  • 24時間の寄り道を1つ持っておく: 夜は店が閉まるので、無人で買える場所を知っていると気が楽です。前に書いた平塚・国道129号の湘南クッキーアウトレットは24時間営業なので、次はここを折り返しにしてみるつもり
  • 22時前には帰る: 住宅街に戻る時間を早めに切る。朝活のときに書いた排気音とご近所の話は、夜のほうがもっとシビアです
  • 水は走る前と帰ってから: 夜は汗をかいた自覚が薄いので、喉が渇く前に飲む

夜に走ると寝つきが悪くなる、というのは正直あります。帰ったらすぐシャワーを浴びて、なるべく画面を見ないで寝る。それでも翌朝はちょっと眠い。だから平日はやらないし、往復1時間から伸ばさないようにしています。

夜に走ると、翌朝に持ち越すもの

夜の川沿いは虫が多いです。ヘッドライトとシールドとカウルの前面に、しっかり付きます。夜露も降りるので、帰ってきた車体は思っているより汚れている。そのまま翌朝の日差しで乾かすと、あとで落ちにくくなります。

とはいえ、慌てて力任せに擦らないこと。ロウさんを納車したばかりの頃、小傷を消したい一心で粗い番手から攻めて、クリア層を白く曇らせた前科があるので……。虫は濡らしてふやかす時間さえ作れば、あとは軽く撫でるだけで落ちます。急いで擦るより、水をかけて放っておくほうが結局は速い。

ミツキ

夜に走った翌朝、明るいところで車体を見ながらの洗車まで含めて、わたしのなかでは夜ツーリングです。

まとめ

真夏の夜のショートツーリングは、涼しさを取りに行く遊びというより、涼しくなる時間を待つ遊びでした。日の入りを調べて、その1時間後に出る。知っている道を片道30分だけ。それだけで、8月の夜がちゃんと走れる時間になります。

今週末、日が落ちてから玄関を開けてみて、風がぬるくなかったらそれが合図。無理のない距離で、知っている道を、先に水を飲んでから。

よくある質問

真夏の夜のショートツーリングは何時に出るのがいいですか?

日の入りの1時間後を目安にしています。日の入り前後1時間は警察庁が「薄暮時間帯」と呼ぶ死亡事故の多い時間帯なので、そこをまるごとずらすのが安全です。

夜でも暑さ対策は必要ですか?

必要です。熱帯夜は夜間の最低気温が25度以上と定義されていて(気象庁)、舗装が蓄えた熱で路面も冷めきっていません。走行風で汗の自覚が薄れるので、走る前と帰宅後に水を飲みます。

夜はどのくらいの距離を走るのがちょうどいいですか?

片道30分・往復1時間くらいが目安です。この範囲なら通い慣れた道だけで組めるので、暗さで見えない情報を経験で補えます。

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執筆・編集: GARAGE 3 編集部

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