40周年の起点はこの750。GSX-R750の2027年モデルが北米で発表
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目次
この記事のポイント
スズキが北米で2027年モデルのGSX-R750を発表しました。標準色が13,549ドル、初代を思わせる青と白の「GSX-R750Z 40th Anniversary Edition」が13,749ドルで、この記念仕様は2026年モデルからの継続です。
車重190kg、シート高810mm、ブレーキはブレンボの4ポット。そして電子制御は、走行モードを2つ切り替えるS-DMSと電子制御ステアリングダンパーだけ。トラクションコントロールもクイックシフターも付いていません。
2027年のスーパースポーツのスペックとしては、正直かなり異質です。でもこれ、スズキが2026年8月に北米で発表した「GSX-R750」の2027年モデルの中身なんです。しかもこの750、GSX-Rというシリーズそのものの出発点にあたる1台でもあります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何が起きた | スズキが北米で2027年モデルのGSX-R750/GSX-R600を発表。記念仕様「GSX-R750Z 40th Anniversary Edition」も継続設定 |
| 発売時期・実施時期 | 2026年8月6日に北米で発表(現地の発売日は未発表) |
| 対象モデル・エリア | 北米市場向け。日本は国内仕様が1998年で終了し、逆輸入も2018年モデルで途絶えている |
| 価格帯 | GSX-R750=13,549ドル/GSX-R750Z 40th Anniversary Edition=13,749ドル(いずれも別途デスティネーションチャージ750ドル) |
| 一次ソース | Suzuki Cycles(北米公式)2027 GSX-R750Z 40th Anniversary Edition |
| ミツキ視点 | 40周年の記念仕様が「新登場」ではなく2026年モデルからの2年目、というのがいちばん引っかかったポイント |
GSX-Rの40年、その起点はほかでもないこの750
ここ最近、スズキのニュースで「GSX-R誕生40周年」という言葉をよく見かけます。日本でも2026年7月にGSX-R1000Rの40周年記念モデルが4年ぶりに復活して、そのときにも1985年からの40年という話に触れました。
ただ、あのとき書ききれなかったことがあります。40年をどこから数えているかというと、1985年に登場した初代GSX-R750です。つまり起点は1000でも600でもなく、この750。そして当の750は、いまも現役として毎年モデルイヤーが更新されている。今回発表されたのは、その当事者にあたる1台です。

40周年の話は前に書いたのに、その主役がいまも普通に現役だっていう部分、すっぽり抜けてた。ちょっと悔しい。
2027年モデルは2色。記念仕様は「新登場」ではなく2年目
2027年のGSX-R750に用意されたカラーは、キャンディダーリングレッドとメタリックマットブラックNo.2の2色。価格は13,549ドルです。
これとは別に、記念仕様の「GSX-R750Z 40th Anniversary Edition」が13,749ドルで設定されています。パールヴィガーブルーとパールテックホワイトの組み合わせで、タンク上面に40周年ロゴ、ホイールリムに専用デカール。歴代GSX-Rの象徴だった青と白の塗り分けを、そのまま現代の車体に乗せた見た目です。
ここで一点、日本の記事を読んでいるだけだと見落としやすい部分があります。この40th Anniversary Editionは、今回が初登場ではありません。北米スズキの公式サイトには2026年モデルのGSX-R750Zも掲載されていて、カラーはすでにパールヴィガーブルー/パールテックホワイト。価格は13,449ドルでした。つまり2027年モデルは、記念仕様が2年目に入って300ドル上がった、という話になります。
「40周年記念仕様が登場!」と読むのと、「記念仕様が2年目も続く」と読むのとでは、受け取り方がだいぶ変わります。わたしは後者のほうが、むしろスズキらしくて好きでした。区切りの年だけ出して終わりにしない感じがして。
スペックを読む。数字より「付いていないもの」が語る
北米公式に載っている2027年GSX-R750の主なスペックを並べてみます。
| 項目 | 2027 GSX-R750 |
|---|---|
| エンジン | 750cc 水冷4ストローク並列4気筒 DOHC |
| ボア×ストローク | 70.0mm × 48.7mm |
| 車両重量 | 190kg |
| シート高 | 810mm |
| ホイールベース | 1,390mm |
| フロントブレーキ | ブレンボ4ポット+310mmダブルディスク |
| 燃料タンク | 17.0L(カリフォルニア仕様は16.0L) |
| 電子制御 | S-DMS(2マップ)、電子制御ステアリングダンパー、ラップタイマー、シフトライト |
最高出力は北米公式のスペック表に記載がないため、ここでは書きません。数値が出ていないものを推測で埋めると、それはもう記事ではなく作文になってしまうので。
それより目を引くのは、装備の少なさのほうです。IMU連動のトラクションコントロールも、コーナリングABSも、双方向クイックシフターも入っていない。現行型は2011年のモデルチェンジ以降、大きな変更を受けないまま続いてきた車体です(バイクブロスのカタログでも、2011年以降は大きな変更なく2018年モデルまで継続販売された、と整理されています)。その骨格のまま2027年モデルになった、というのが今回の中身になります。
これは古いということでもありますが、同時に「190kgしかない750の4気筒を、電子制御にほとんど介入されずに開けられる」ということでもあります。今どき、なかなか成立しない組み合わせです。
買う理由と、買わない理由をはっきりさせておく
スペック表だけ見ても判断しづらいので、切り分けておきます。
- 刺さる人: 電子制御に頼らず自分でスロットルを開けたい人/1000ccは持て余すけど600では物足りない人/初期型からのGSX-Rの空気ごと欲しい人
- やめておいたほうがいい人: 最新の安全支援装備を前提にしたい人/街乗り主体でシート高810mmと前傾姿勢がつらい人/国内の新車保証とディーラー整備をあてにしたい人
特に3つ目は現実的な話で、次の項目に直結します。
日本ではどうなっているのか
ここが日本の読者にとって一番大事なところだと思います。GSX-R750は、日本への新車導入がすでに終わっています。
時系列を整理すると、こうなります。日本国内仕様としての販売は1998年までで終了し、そこから先は販売店が海外モデルを持ってくる逆輸入が受け皿になっていました。その逆輸入も、排出ガス規制の影響でGSX-R600が2017年モデル、GSX-R750が2018年モデルを最後に途絶えています。
数えてみると、国内仕様がなくなって28年、新車そのものが入ってこなくなって8年です。
つまり今回発表された2027年モデルは、日本の販売店に新車として並ぶ予定のないバイクです。国内で乗ろうと思ったら中古車を探すことになりますし、その中古も規制以前の車体になります。

え、8年も前で止まってたんだ。海の向こうでは普通に新型が出続けてるのに、こっちには入ってこないの、ちょっと切ないな。
この「規制でいなくなったけど、海外では現役」という感覚は、伝える側にもあるみたいです。今回の発表を報じたwebオートバイの記事は、見出しが「お前、生きてたんか!」でした。ニュースの第一声が安否確認になるバイク、なかなかいません。
ハチ乗りから見た、750という排気量
わたしが乗っているSuzuki GSX-8R(普段は「ハチ」と呼んでいます)は、775ccの水冷並列2気筒で80PS。同じスズキで、排気量もほぼ同じ帯なのに、GSX-R750とは性格がまるで違います。
面白いのはシート高で、ハチもGSX-R750も810mmで同じ。一方でホイールベースはハチが1,465mm、GSX-R750が1,390mmと、75mmも違います。同じ足つきなのに、曲がりたがる度合いはまったく別物ということです。
スズキは、同じくらいの排気量に「毎日乗れる2気筒」と「サーキットの文法で作った4気筒」の両方を置いてきた。片方はいま日本で新車が買えて、片方は買えない。ハチに乗っている立場からすると、失われたほうの選択肢がどんなものだったのか、余計に気になります。
ちなみにわたしはサーキットを走ったことがありません。だからGSX-R750の速さそのものを語る資格はないと思っていて、ここで書けるのは「同じメーカーの、同じ排気量帯の、まったく違う思想」への興味までです。
まとめ
1985年に始まったGSX-Rの40年を、その起点だった750が2027年モデルとしてまだ走っている。記念仕様は今年が2年目で、色は初代を思わせる青と白のまま。日本には来ないけれど、消えてもいない。
いつか北米のどこかで、青白のGSX-R750Zが普通に停まっているのを見かける日がきたら、それはたぶんちょっとした事件です。手の届かないバイクの話を追いかけるのも悪くないな、と思いながら、今日はガレージでハチのカバーをかけ直してきました。
もっと知りたい人へ
- Suzuki Cycles(北米公式):2027 GSX-R750 — 標準色のスペック表・装備一覧
- Suzuki Cycles(北米公式):2027 GSX-R750Z 40th Anniversary Edition — 記念仕様の専用グラフィックとリムデカール
- スズキ二輪 日本公式サイト — 国内で新車が買える現行ラインナップと取扱店検索
よくある質問
GSX-R750の2027年モデルは日本で買えますか?
日本への新車導入は2018年モデルを最後に終了しているため、国内の販売店に新車として並ぶ予定はありません。国内で乗る場合は規制以前の中古車を探すことになります。
GSX-R750Z 40th Anniversary Editionは今回が初登場ですか?
いいえ。北米スズキの公式サイトには同じパールヴィガーブルー/パールテックホワイトの2026年モデルも掲載されており、2027年モデルは2年目にあたります。価格は13,449ドルから13,749ドルへ上がりました。
2027年モデルにトラクションコントロールやクイックシフターは付きますか?
北米公式のスペック表に記載はありません。電子制御として挙げられているのはS-DMS(2マップ)と電子制御ステアリングダンパー、ラップタイマー、シフトライトです。
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