ハーレーX350・X500が生産終了へ。寂しさの先に見える、次の一手を考えてみた
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この記事のバイク
Harley-Davidson Low Rider ST
目次
この記事のポイント
ハーレーがX350・X500を生産終了(在庫限り)。背景には2025年の業績不振とQJMOTOR協業モデルの位置づけのズレ。だが新戦略「Back to the Bricks」では空冷スポーツスター復活と新エントリー「スプリント」を予告。撤退ではなく“エントリー戦略の作り直し”と読み解きます。
朝、ガレージでロウさん(Harley-Davidson Low Rider ST)のタンクを拭きながらニュースを開いたら、思わず手が止まっちゃいました。ハーレーの「X350」と「X500」が、生産終了。……え、まって、もう? って、声に出ちゃったくらい。
正直、わたしはこの2台のオーナーじゃないんです。でもね、「普通二輪免許で乗れるハーレー」っていう存在そのものが、すごく大事だと思っていて。だから今日は、この知らせをただ追いかけるんじゃなくて、わたしなりに「なんで終わっちゃったんだろう」「ハーレーは次にどう動くんだろう」っていうところまで、ちょっと一緒に考えてもらえたら嬉しいです。
まず、何が起きたのか
2026年6月10日、ハーレーダビッドソン ジャパンが「X 350」と「X 500」の生産終了を正式に発表しました。今後は全国の正規ディーラーで在庫がある分だけ販売され、なくなり次第そのまま販売終了。追加の供給や再生産の予定はない、とのことです。つまり「在庫限り」。これはなかなか重い言葉です。
この2台、どんなバイクだったか軽くおさらいしておきますね。
- X 350:価格69万9800円。普通自動二輪MT免許で乗れる、軽量な都市型モデル。
- X 500:価格83万9800円。ひとまわり大きい、気軽に街を流せるモデル。
登場したのは2023年10月。「ファッション・ライフスタイルコンシャスな軽量都市型コミューター」という位置づけで、ハーレーへの“はじめの一歩”を踏み出す人のためのエントリーモデルとして売り出されました。エンジンやプラットフォームは、中国のQJMOTOR(浙江銭江摩托)との協業で生まれたもの。ここ、あとで効いてくるポイントなので覚えておいてください。

70万円台から買えるハーレーって、入口としてはすごく魅力的だったんだよね。だからこそ、なくなるって聞くと「うーん、もったいないなぁ」って気持ちが先に来ちゃう。
何が寂しいって、「間口」が一個閉じること
わたしがいちばん残念だなと思うのは、価格でも性能でもなくて。「普通二輪で乗れるハーレー」という選択肢が、いったん市場から消えるということなんです。
ハーレーって、憧れるけど「いつかは」って思っちゃうブランドの代表格だと思うんです。車格も大きいし、お値段もそれなり。そこに「免許も予算もまだフルじゃないけど、ハーレーのエンブレムを背負って走れる」っていう1台があった意味は、すごく大きかった。最初の1台がハーレーって、その人のバイク人生めちゃくちゃ素敵じゃないですか。その入口が、いったん閉じちゃう。これはやっぱり、ちょっと切ないです。
で、ここからが本題。なんで終わったんだと思う?
ここからはわたしの推測も混じります。でも、いくつかの事実を並べると、なんとなく輪郭が見えてくるんですよ。
まず、ハーレー本体(米国)の状況。2025年通年の決算では、連結売上高は44億7000万ドルで前年比14%減、世界の小売販売台数も12%減と、はっきり厳しい数字が出ています。関税コストの増加もあって、二輪部門は営業損失を計上するほどの逆風でした。この苦しさは、少し前に2026年Q1決算を見たときにも感じていたんですよね。つまり今のハーレーは、ラインナップを「あれもこれも」と広げ続けられる体力ではない、ということ。選択と集中をせざるを得ない局面なんですよね。
そしてもう一つが、さっき覚えておいてって言ったQJMOTORとの協業モデルだという点。X350/X500は中国生産の世界戦略車でした。わたしはこれ、製品としてダメだったというより、「ハーレーが自分のブランドとして本当に育てたい中小排気量像」と、ちょっとズレてきたんじゃないかなと見ています。エンブレムはハーレーでも、設計のルーツは別。ブランドの“芯”を語るうえで、ここは悩ましいポイントだったはず。
ハーレーの次の一手を、推察してみる
じゃあハーレーは、ただ縮こまって撤退するのか。……たぶん、違います。むしろ逆だと思っていて。ここ、わたしが今いちばんワクワクしてる部分です。
新戦略「Back to the Bricks」
2026年5月、ハーレーは新しい成長戦略「Back to the Bricks」を発表しました。CEOのアーティー・スターズ氏のもと、専売ディーラーネットワークの収益性を2026年に倍増させるなど、ブランドの“原点”に立ち返って足場を固め直す、という内容です。広げすぎたものを一度たたんで、強いところに資源を集中する。X350/X500の整理も、たぶんこの流れの一部なんだと思います。
空冷スポーツスターの復活、そして新型「スプリント」
そしてこの戦略の中で、はっきり名前が出てきたのが2つ。ひとつは空冷スポーツスターの復活。これは2027年モデルで正式発表済みで、日本への導入もハーレー社長が明言しているんですよ。もうひとつが、新しい軽量エントリーモデル「SPRINT(スプリント)」です。
報道ベースの情報だと、スプリントは1万ドル未満という手の届きやすい価格で、油冷エンジンを積む小排気量モデルになる見込み。(当初はもっと攻めた価格目標も噂されていたんですが、関税の影響で少し見直されつつあるみたいです。)インドなどで展開されている油冷単気筒「X440」をベースにした派生という見方が強くて、2027年早々の登場も期待されています。

待って、これ整理するとさ——「中国メーカー協業の世界戦略車」をたたんで、「ハーレー自身が育てる、ハーレーらしいエントリー」に作り直そうとしてる、ってことじゃない? そう読むと、X350/X500の終了は“撤退”じゃなくて“仕切り直し”なんだよね。きた、これは楽しみなやつ!
つまり、エントリー戦略をやめるわけじゃない
ここ、すごく大事なポイントなので強調させてください。ハーレーは「小さいバイクから手を引く」んじゃなくて、「エントリーモデルの作り方そのものを設計し直そうとしている」。わたしはそう受け取っています。
日本市場でも、その姿勢は見えています。エントリー的なポジションのナイトスターは2026年モデルで148万8800円まで価格が見直されましたし、ハーレーダビッドソン ジャパンの玉木一史代表は、「“いつかはハーレー”の“いつかは”が先送りされている」という課題を挙げて、実際にハーレーへ触れる機会とバリエーションを増やしていく、と語っています。入口を閉じるんじゃなく、入口の作り直し。方向性はちゃんと一貫しているんですよね。
というわけで、これからのハーレーに期待してる
X350とX500がカタログから消えるのは、やっぱり寂しい。これは素直にそう思います。あの2台で「初めてのバイクがハーレー」を叶えた人もたくさんいるはずで、その役割は本物でした。お疲れさま、と言いたい気持ちです。
でも同時に、ハーレーが今やろうとしているのは、ブランドの芯から逃げずに、もう一度「ハーレーらしい小さな1台」を真正面から作ること。空冷スポーツスターの復活も、油冷スプリントの噂も、それを聞いただけでちょっと胸が高鳴るんです。次に出てくるエントリーは、エンブレムだけじゃなくて中身まで“ハーレー”なのかもしれない。だとしたら、それはむしろ今より良い未来だと思いません?
在庫限りになったX350・X500が気になっている人は、正規ディーラーで実車を見られる今のうちに、ぜひまたがってみてほしいです。終わりの知らせって、その存在を見つめ直すきっかけにもなりますしね。そして数年後、新しいハーレーのエントリーが出たとき、「あのときX350が終わって、ここに繋がったんだ」って一緒に振り返れたら最高だなって。わたしはロウさんと一緒に、その日をのんびり待ってます。
参考リンク
GARAGE 3 のバーチャルナビゲーター
ロウさん・ハチ・カブちゃん、3台と暮らす運営者の体験を、わたしの目線でお届けしてるよ!
執筆・編集: GARAGE 3 編集部
ミツキのこと、もうちょっと詳しくは → GARAGE 3について

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