創業125年だから、125台。インディアンの空冷Vツインに限定車
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目次
この記事のポイント
ポラリスジャパンが2026年8月8日、インディアンの限定モデル「チーフ・ヴィンテージ・スタージスSDエディション」を発表しました。空冷サンダーストローク116(1,890cc)を積み、創業125周年にちなむ世界125台限定。日本にも導入予定で、時期と価格は後日発表です。
125台。世界でたった125台です。インディアンが発表した限定モデル「チーフ・ヴィンテージ・スタージスSDエディション」の生産台数を見て、まず数字のほうに引っかかりました。妙に中途半端に見えるこの数は、インディアン・モーターサイクルが1901年の創業から数えて今年で125年になることに由来しています。台数そのものが誕生日のろうそくみたいなものだったわけです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何が起きた | インディアンが世界125台限定の「チーフ・ヴィンテージ・スタージス SDエディション(Chief Vintage Sturgis, SD Edition)」を発表。ポラリスジャパンも2026年8月8日に国内発表 |
| 発売時期・実施時期 | 日本は未発表(発表は第86回スタージス・モーターサイクル・ラリーの会場) |
| 対象モデル・エリア | チーフ・ヴィンテージの限定仕様/北米中心に、日本を含む十数市場へ少数配分 |
| 価格帯 | 日本は未発表(北米は23,999ドル。標準のチーフ・ヴィンテージより4,000ドル高) |
| 一次ソース | Indian Motorcycle 公式ニュース |
| ミツキ視点 | シート高686mmで空冷1,890cc。うちの空冷ハーレーより34mm低くて、ひと回り重い。この数字の並びがまず面白い |
発表されたのは「チーフ・ヴィンテージ」の限定仕様
ベースになっているのは、インディアンが今年復活させたチーフ・ヴィンテージです。1940年代のチーフを下敷きにした、前後とも深く覆うスカートフェンダーとワイヤースポークホイールが特徴の1台。そこに専用の塗装と装飾を入れたのが、今回のスタージスSDエディションです。
カラーは「インディアン・モーターサイクル・レッド」と「クリーム」のツートン。タンクのクリーム部分には、1930年代の同社製品を象徴する、色数の多いヘッドドレスのロゴが載ります。サイドパネルはレースのナンバーボードを模した形で、ここに「◯◯◯ of 125」というシリアル表記が入る仕様です。1台ごとに番号が違う、という作り方ですね。
装備はベース車を踏襲していて、発光するヘッドドレス・オーナメント、ヴィンテージ・エスプレッソのソロシート、ヴィンテージハンドルバー、そしてRIDE COMMANDを載せた101mm(4インチ)のラウンドディスプレイ。ライドモードはTour/Standard/Sportの3つです。見た目は1940年代でも、中身はナビもBluetoothも入っている現代のバイクという構成になっています。

丸いディスプレイ、ずるいなあ。あの見た目でナビが出るの、めちゃくちゃ強いと思う。
数字を、うちの空冷と並べてみた
うちのガレージにも空冷のVツインが1台います。Harley-Davidson Low Rider ST、通称ロウさん。同じ「空冷Vツインの大型クルーザー」として、公式値を並べてみました。
| 項目 | チーフ・ヴィンテージ(日本仕様) | Low Rider ST(2024年式) |
|---|---|---|
| エンジン | 空冷Vツイン サンダーストローク116 | 空冷Vツイン Milwaukee-Eight 117 |
| 排気量 | 1,890cc | 1,923cc |
| シート高 | 686mm | 720mm |
| 車両重量 | 317kg(燃料なし)/327kg(燃料込み) | 306kg(乾燥重量) |
| 全長/ホイールベース | 2,441mm/1,626mm | 2,400mm/1,615mm |
| ホイール | 前後16インチ ワイヤースポーク | 前19/後16インチ キャストアルミ |
全長もホイールベースも、驚くほど近いです。それでいてシート高は686mmと、ロウさんより34mm低い。身長168cmのわたしはロウさんの720mmで足つきに困ったことがないので、そこからさらに34mm下がるなら、足つきの不安はほぼ消えるはずです。そのぶん重量は増えていて、燃料を入れた状態で327kg。取り回しは素直に重いと思います。なお表の317kgは燃料を除いた値、ロウさんの306kgは乾燥重量なので、この2つの数字は厳密には同じ条件ではありません。
数字を見ていて気づいたのは、この2台が「同じくらいの体格で、まったく違う方向を向いている」ことでした。ロウさんはフェアリングとサドルバッグを付けて距離を走らせる方向、チーフ・ヴィンテージはソロシートとスカートフェンダーで見た目の完成度に振る方向。トルクの発生回転数も、チーフ・ヴィンテージは156N·mを3,300rpmで出す設定です。低い回転で全部出し切るタイプですね。

16インチの前後同径ワイヤーって、走りより「立ち姿」のための選択だと思う。そこに全振りできるのが限定車の強さかも。
1938年、9人のライダーと200人の観客から
車名の「SD」は、サウスダコタ州(South Dakota)の略です。スタージスはサウスダコタ州の町なので、「Sturgis, SD」という住所の書き方が、そのまま車名になっているという構造。粋な付け方だと思います。
そのスタージス・ラリーの第1回は1938年。インディアンのディーラーと、その仲間のライダーたちが始めたものでした。参加したライダーは9人、観客はおよそ200人。それが今では世界最大級のモーターサイクル・ラリーになって、今年で第86回です。インディアンのCEOであるマイク・ケネディ氏も、発表にあわせて「インディアンのディーラーとライダーが文字どおり全部を始めたというのは、すごいことだ」という趣旨のコメントを出しています。
限定車の企画としては、この「うちが始めた」という物語を125周年で回収しにきた形です。単に色を変えただけの特別仕様ではなくて、なぜこの色で、なぜこの台数なのかに全部理由がある。こういう作り方をされると、正直弱いです。
空冷は、チーフに残っている
7月にインディアンが空冷のヘビー級ツアラーを終了する話を書きました。空冷サンダーストローク116を積んだRoadmasterとSpringfieldが2026年モデルで販売終了になり、主力が水冷のPowerPlusへ移っていく、という内容です。あのときは正直、しんみりしながら書きました。
ただ、今回の限定車はその空冷側から出てきています。インディアンの日本公式サイトのラインナップを見ると、チーフテンにはPowerPlus(水冷)の名前が入っている一方で、チーフ・ヴィンテージやチーフ ダークホース、スーパーチーフ、スポーツチーフといったチーフ系はサンダーストロークのまま並んでいます。つまり、水冷化が進んでいるのは大きなツアラーのほうで、チーフ系の空冷はまだ現役、ということです。
終わる話と続く話が、同じ夏に並んで出てくる。この温度差込みで、いまのインディアンは面白いと思っています。
日本で買えるのか、いくらになるのか
ポラリスジャパンの発表では、日本への導入時期と価格はどちらも後日発表とされています。ただ、インディアンの公式リリースが挙げている配分市場のリストには日本が入っているので、「まったく入ってこない」ということにはならなさそうです。
価格の手がかりになるのは北米の数字で、23,999ドル。標準のチーフ・ヴィンテージより4,000ドル高い設定です。日本の標準チーフ・ヴィンテージは338万円から(税込)なので、上乗せぶんを単純に足したくなりますが、為替も諸費用も違うので、そこは待つしかありません。
それより現実的な話をすると、世界で125台を十数市場に配るので、日本に来る台数はかなり少ないはずです。本気で狙う人は、価格の発表を待つより先に、行きつけの正規販売店へ「入る見込みがあるか」を聞いておくほうが早いと思います。こういう台数のモデルは、価格が出た時点でもう終わっていることがあるので。

わたしは買えないけど、実車が日本に来たら絶対に見に行く。あのクリームの塗り分け、写真より現物のほうが効くやつだと思う。
まとめ
創業125年にちなんだ125台、1938年の第1回スタージスへの目配せ、そして車名に入った「SD」。空冷1,890ccという中身よりも、その周りに積み上げられた理由の量で殴ってくるタイプの限定車でした。
日本の価格も時期もまだ分かりませんが、ラリーの写真を眺めながら、いつか道の駅の駐車場でこの赤とクリームに出くわす日を想像しています。125台のうちの1台と、日本のどこかですれ違えたら、それはもうかなり幸運な朝です。
もっと知りたい人へ
- Indian Motorcycle 公式:Chief Vintage Sturgis, SD Edition — 装備リストと成り立ちの一次情報
- Indian Motorcycle Japan 公式:チーフ・ヴィンテージ — ベース車の日本仕様スペックと価格
- Indian Motorcycle Japan 公式:チーフ ファミリー — 現行のチーフ系ラインナップ一覧
- Indian Motorcycle 公式プレスルーム:発表リリース — 配分市場とCEOコメントの原文
よくある質問
日本でも買えますか?
インディアン公式が挙げた配分市場のリストに日本が含まれています。ポラリスジャパンは導入時期と価格を後日発表するとしています。
エンジンは空冷のままですか?
空冷のサンダーストローク116(1,890cc・最大トルク156N·m)です。水冷のPowerPlusではありません。
標準のチーフ・ヴィンテージと何が違いますか?
レッド×クリームの専用塗装、1930年代のヘッドドレスロゴ、シリアルナンバー入りバッジが付きます。北米価格は標準車より4,000ドル高い設定です。
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