メインコンテンツへスキップ
ミツキ
GARAGE3
· 約7分で読めますニュースSuzuki GSX-8R

300ccの水で約3時間。NANKAIの気化熱ベストが効くのは40km/h以下

※ 当記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています

300ccの水で約3時間。NANKAIの気化熱ベストが効くのは40km/h以下
Suzuki GSX-8R

この記事のバイク

Suzuki GSX-8R

目次
  1. 気化熱とファン、二段構えで冷やす
  2. 効くのは40km/h以下。ここが判断の分かれ目
  3. 予算は2万4200円では組めない
  4. 冷やし方は4通りある。自分の走り方で選ぶ
  5. 3台のうち、どれで使うか
  6. まとめ
  7. もっと知りたい人へ

この記事のポイント

南海部品の「SDW-4160 空調服 気化熱+ファンベスト Vapoueα」は、保水層に含ませた約300ccの水とファン送風の二段構えで冷やすベストです。効果は40km/h以下と停車中に強く、50km/h以上では半減します。本体2万4200円に別売バッテリー1万7050円が必要です。

去年の8月、Suzuki GSX-8R(うちの「ハチ」)のチェーン清掃を昼にやろうとして、10分で家に戻ったことがあります。作業そのものはたいしたことないのに、しゃがんでチェーンを回しているだけで汗が止まらなくなって、これは無理だと判断しました。

バイクの夏がしんどいのは、走っている時間より止まっている時間です。信号待ち、渋滞、出発前の押し引き、ヘルメットをかぶる数十秒。南海部品の「SDW-4160 空調服 気化熱+ファンベスト Vapoue(ヴェイパー)α」は、まさにそこを狙った製品でした。

項目内容
何が起きた南海部品が気化熱とファン送風を組み合わせたベスト「SDW-4160 空調服 気化熱+ファンベスト Vapoue(ヴェイパー)α」を展開
発売時期・実施時期2026年夏シーズンに販売中(発売日は未発表)
対象モデル・エリアサイズS〜XXL(胸囲112〜128cm)/カラーはブラック1色/日本国内
価格帯ベスト単体 2万4200円(税込)。ファンとバッテリーは別売の空調服スターターキット 1万7050円(税込)
一次ソース南海部品カタログサイト:ライディングベスト
ミツキ視点「ベスト2万4200円」で予算を組むと足りない。動かせる状態にするまでは合計4万1250円

気化熱とファン、二段構えで冷やす

このベストの中身は、2つの機構でできています。

ひとつめはファン送風です。外気をウエアの内側に取り込み、内部の空気を強制的に押し出すことで体温を下げる。ここはいわゆる空調服と同じ考え方です。

ふたつめが気化熱。独自開発の「ヴェイプシール」という保水層が内蔵されていて、ここに約300ccの水を含ませておくと、少しずつ蒸発しながら熱を奪っていきます。冷却が続く時間は約3時間とされています。

給水は、平面に置いて水を馴染ませるだけ。水が滴ったり衣服が濡れるような感覚はないとのことなので、そこは心配しなくてよさそうです。素材は表地がナイロン100%、脇にポリエステルとポリウレタンのメッシュ、着脱式のフードも付きます。フルハーネス対応で、メッシュジャケットの下に着る前提の設計です。

ミツキ

風を送るだけじゃなくて、濡れた層に風を当てるのがポイント。通り抜ける空気そのものが冷たくなるやつだね。

効くのは40km/h以下。ここが判断の分かれ目

いちばん大事なところを先に書きます。参照元の使用インプレッションによると、この製品の効き方は速度でくっきり分かれます。

  • 出発前の準備・停車中: 押し引きやヘルメット装着の段階で「まず汗をかかない」
  • 40km/h以下: 首元から空気が抜けていくのをはっきり感じる。35℃を超える信号待ちや渋滞でも、だらだら出ていた汗がスッと引く
  • 50km/h以上: 走行風で前身頃が潰れてしまい、効果は半減する

この切り分けは、買うかどうかを決めるうえでかなり効きます。高速道路をひたすら流すツーリングが中心なら、払った金額に対して返ってくるものは小さい。逆に、通勤・街乗り・渋滞・林道のように低速域が長い人にはまっすぐ刺さります。参照元でも、速度域が低くて運動強度が高いオフロード遊びやハードエンデューロとの相性の良さが特に強調されていました。

この速度の話を、バイク歴1年の友達・ヒマリちゃんにしたら、けっこう驚かれました。

ヒマリ

えっ、速く走るほど効かなくなるんですか? わたし、涼しくなりたくてつい飛ばしちゃってました…!

そうなんです。走行風で前身頃が体に張りついてしまうと、風の通り道そのものが無くなります。だからこれは「速く走れない時間」を助けてくれる道具だと考えるのが正確だと思います。渋滞と信号待ちがつらい人ほど、価値が大きくなる製品です。

予算は2万4200円では組めない

ここは買う前に必ず押さえておきたいところです。ベスト本体のSDW-4160は税込2万4200円ですが、ファンとバッテリーは含まれていません。

別売の空調服スターターキットが税込1万7050円。14.4Vのリチウムイオンバッテリー(3250mAh/46.8Wh)で、充電時間は約3時間です。つまり動かせる状態にするまでの合計は4万1250円になります。

風量は5段階(14.4Vのターボ、11.0V連続、11.0Vゆらぎモード、8.2V、6.0V)。稼働時間はモードによって約4.9〜約17時間で、参照元がツーリング用に薦めていたのは11.0Vのゆらぎモード、稼働時間は約6.8時間でした。実測でも7時間以上動いたそうなので、朝出て夕方帰る1日なら足りる計算です。

冷やし方は4通りある。自分の走り方で選ぶ

ライダー向けの冷却ウェアは、この数年で方式そのものが増えました。GARAGE 3でも何度か取り上げてきたので、いったん並べて整理します。

方式冷やし方得意な場面弱いところ
接触冷感・遮熱インナー生地の性質で体感温度を下げる走行中の全域。電源が要らない停車中の効果は限定的
ファン送風(空調服)外気を服の中に流す停車中・低速高速では服が潰れる
ペルチェ素子半導体で接触面を直接冷やす首や背中のピンポイント冷えるのは当たった面だけ。消費電力も大きい
気化熱(今回の方式)含ませた水を蒸発させて熱を奪う停車中・低速・運動強度が高い場面給水が要る。高速では効果が半減

Vapoueαが面白いのは、この表の2段目と4段目を1着で持っていることです。ファンだけなら乾いた風が通り抜けるだけですが、水を含んだ層に風を当てれば蒸発が進んで、通り抜ける空気そのものが冷える。二段構えというのはそういう意味です。

過去に書いた記事も置いておきます。フリーズテック「氷撃」の冷感ウェアが1段目、ワークマンの冷房ベストが3段目、通気性インナープロテクターは方式というより着方の話です。自分がどこで消耗しているかで、選ぶ段が変わります。

3台のうち、どれで使うか

わたしのガレージで考えるとこうなります。

  • Honda Cross Cub 110(カブちゃん): いちばん相性がいい。早朝のパン屋通いも含めて速度域が低く、信号も多い。8.0PSで急ぐ乗り方をしないので、前身頃が潰れる場面がほとんどありません
  • Suzuki GSX-8R(ハチ): 通勤で使う日は効くはず。峠まで高速で移動する日は、着いてからの効果に期待する使い方になります
  • Harley-Davidson Low Rider ST(ロウさん): 長距離高速が主戦場なので恩恵は小さめ。ただしロウさんは空冷1,923ccで、渋滞にはまったときの足元の熱が本当につらいので、そこだけを狙って着る価値はあります

去年のわたしは、ワークマンのメッシュ系シャツをアンダーに使っていて、それはそれでかなり快適でした。ただあれは走っている間の話で、止まった瞬間の暑さには何もしてくれません。今回の製品は、その空白を埋めにきたものだと理解しています。

ミツキ

去年チェーン清掃を10分で投げ出したの、体力の問題じゃなくて装備の問題だったのかもしれない。

まとめ

要点を整理します。SDW-4160 Vapoueαは、ファン送風と気化熱の二段構えで冷やすベスト。約300ccの水で約3時間、効くのは40km/h以下と停車中で、50km/h以上では効果が半減します。ベスト単体2万4200円にスターターキット1万7050円を足した4万1250円が、動かせる状態にするまでの金額です。

暑さ対策の道具は「涼しくなる」より「判断力が落ちない」ほうが本題だと思っています。夏の失敗はだいたい、暑さで面倒くさくなったところから始まるので。今年の残りの猛暑、自分がどの時間帯にいちばん消耗しているかを一度数えてみると、必要な装備の形が見えてくるはずです。

もっと知りたい人へ

よくある質問

気化熱ベストは高速道路でも効きますか?

50km/h以上では走行風で前身頃が潰れ、効果は半減するとされています。低速走行や停車中に強い製品です。

ベストを買えばすぐ使えますか?

ファンとバッテリーは別売です。本体2万4200円に空調服スターターキット1万7050円を足した合計4万1250円が必要になります。

水はどれくらい入れますか?

内蔵の保水層「ヴェイプシール」に約300ccで、冷却効果は約3時間持続するとされています。給水は平面に置いて水を馴染ませるだけです。

Share
ミツキ
ミツキ

GARAGE 3 のバーチャルナビゲーター

ロウさん・ハチ・カブちゃん、3台と暮らす運営者の体験を、わたしの目線でお届けしてるよ!

執筆・編集: GARAGE 3 編集部

ミツキのこと、もうちょっと詳しくは → GARAGE 3について

最後まで読んでくれてありがとう! 気になることがあれば、他の記事もチェックしてみてね。

関連記事

他の人気記事

ミツキをもっと知る